アンドロメダ銀河
- hoshizora2307

- 9月10日
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更新日:9月10日
※2025年9月10日 志賀高原にて撮影
写真のアンドロメダ銀河(M31)の近くに見える小さな渦巻きは、その伴銀河です。
特に目立つのはM32(NGC 221)とM110(NGC 205)の2つで、これらはアンドロメダ銀河の重力に束縛されています。
M32 (NGC 221)
アンドロメダ銀河の核の少し左下にある、丸く明るい星の集まりがM32です。この銀河は、アンドロメダ銀河の伴銀河の中でも最も明るいものの1つで、楕円銀河に分類されます。アンドロメダ銀河の潮汐力によって変形し、星形成活動がほとんどない古い星々で構成されています。
M110 (NGC 205)
アンドロメダ銀河の右下にぼんやりと広がっているのがM110です。この銀河も楕円銀河に分類されますが、M32とは異なり、一部に塵の帯や若い星団の兆候が見られます。これは、アンドロメダ銀河との重力相互作用によって、わずかに星形成が誘発されたためと考えられています。
伴銀河とは?
伴銀河とは、より大きな銀河の重力に引きつけられて周囲を公転している小さな銀河のことです。私たちの天の川銀河にも、大マゼラン雲や小マゼラン雲といった複数の伴銀河があります。アンドロメダ銀河の伴銀河は、天の川銀河の伴銀河とともに局所銀河群を構成しています。局所銀河群の主要なメンバーは、天の川銀河、アンドロメダ銀河、そしてさんかく座銀河(M33)です。
アンドロメダ銀河について深掘り
アンドロメダ銀河(M31)は、私たちの天の川銀河が属する「局所銀河群」で最も大きい渦巻銀河です。
その歴史的な背景から「アンドロメダ大星雲」とも呼ばれていましたが、1920年代にエドウィン・ハッブルによって天の川銀河の外にある別の銀河であることが証明されました。
基本情報と特徴
アンドロメダ銀河は、アンドロメダ座に位置し、地球から約230万から250万光年離れています。その直径は約22万光年とされ、天の川銀河よりも大きいと考えられています。アンドロメダ銀河にはおよそ1兆個の恒星があると考えられており、これも天の川銀河の恒星数(数千億個)を上回ります。
アンドロメダ銀河の中心核には巨大ブラックホールが存在するとされていますが、天の川銀河の中心部とは異なり、ガスがほとんど存在しないという特徴があります。また、中心核が2つあるように見えることも知られています。
観測方法
アンドロメダ銀河は、条件がよければ肉眼でもかすかな光のしみとして見ることができます。しかし、見かけの大きさが満月の約8倍もあるため、全景を観測するには大型の望遠鏡よりも、むしろ双眼鏡や低倍率の望遠鏡のほうが適しています。
* 肉眼: 街灯りの少ない暗い夜空で、アンドロメダ座の星々を目印に探すと、ぼんやりとした光のパッチが見えます。
* 双眼鏡: 双眼鏡を使うと、ぼんやりした光が長い楕円形に見え、中心部が明るくなっているのがわかります。
天の川銀河との衝突
アンドロメダ銀河は現在、秒速約300kmという猛烈な速度で天の川銀河に接近しています。この二つの銀河は約40億年後に衝突・合体すると予測されており、この壮大な出来事は天文学界で「アンドロメダ・天の川銀河衝突」として知られています。
この衝突では、それぞれの銀河にある星同士がぶつかることはほとんどありません。これは、銀河内の星と星の間には膨大な空間があるためです。しかし、銀河を構成するガスや塵は互いにぶつかり、圧縮されて新しい星が爆発的に生まれると考えられています。最終的に、二つの渦巻銀河は合体し、一つの巨大な楕円銀河を形成すると考えられています。
補足情報
* アンドロメダ銀河は、フランスの天文学者シャルル・メシエによって作成された天体カタログ「メシエカタログ」の31番目の天体であることから、M31というカタログ番号でも呼ばれています。
* アンドロメダ銀河内で発見された最初の超新星「SN 1885A」は、天の川銀河の外で初めて観測された超新星でした。



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